アリスは、一室の扉の前で「うーん」と唸っている。
これが、学校から帰ってきて二時間ほど続いていた。六時の鐘が鳴った。あと三十分から一時間の内に、ナミは帰ってきてしまう。
この一週間、アリスは家へ帰ると、そこら中からアルバムを引っ張り出していた。ナミの学生時代に何があったのか、そしてサラとエリの父親は誰なのかを調べる為だ。
しかし、何の手掛かりも見つからなかった。写真は、圭太とナミが付き合いだした頃からのしか見当たらない。
すると、残る手掛かりは――
「お母さんの部屋しか無いわよねぇ……」
アリスは大人部屋の戸をじっと睨み付け、とうとう腹を決めて取っ手に手をかけ、一気に押し開いた。
時計に目をやってまだナミが帰ってこない事を確認し、真っ直ぐに箪笥へ向かう。そして、通帳や判子が入っている引き出しに手をかけた。何か大切な物が入っているとしたら、ここしかない。
ゴソゴソと引き出しの奥を探れば、二十センチから三十センチ程の木の棒が出てきた。ダンブルドアが扉を開ける時に振っていた物と似ている。恐らく、魔法の杖だろう。
更に探したが、その引き出しには他に何も入っていなかった。
――そりゃあ、そんな簡単な場所にある訳無いか……。
そもそも、ここだと通帳や判子を取り出すとき、そのつもりが無くても見つけてしまう事になる。
でも、そうなると一体何処にナミの学生時代の写真はあるのだろう?
ぱっと思いついたのは、母の実家だった。若しもそうだとしたら、探す事は不可能だ。あの場所には一人で行く事が出来ない。
『コンコン』
突然、窓を叩くような音がして、アリスは飛び上がった。
ここは二階だ。
――お化け……? いや、まさか。ただの風よね……? それか、気のせいか……。
然し音は気のせいではなく、今度はドンドン、と窓に体当たりするような大きな音がする。
アリスは恐る恐る振り返り、そして目を丸くした。
「シロ!?」
No.11
「飛行訓練、グリフィンドールは木曜だって! 俺達より先だぜ」
エリは口を尖らせながら、談話室のソファにどっかりと座り込んだ。
ハンナは宿題のレポートを書きながら、苦笑する。
「先でも後でも一緒じゃない。それよりも、私達がレイブンクローと一緒って事は、グリフィンドールはスリザリンと合同でしょう?」
「そっか。それなら、俺、後でいいや。スリザリンの奴ら、マルフォイが一番だけど他のもウザイのが多いからな」
暖炉の傍でチェスをやっていたアーニーとジャスティンもやってきた。
「でも、先生方は如何して態々グリフィンドールとスリザリンの合同を二つも作るんだろう?」
アーニーがエリの隣に腰掛けながら、まるでそれが深刻な謎であるかのように言った。
「だって、あの二つの寮がいがみ合ってるのなんてホグワーツの伝統じゃないか。おかしいと思わないか? ハッフルパフとスリザリンや、グリフィンドールとレイブンクローの合同は、一回も無いのにさ」
「言われてみればそうよねぇ。伝統だから、そのいがみ合いを強調する為に?」
「普通、逆じゃないか? きっと、協力する事によって仲を良くする為さ」
ジャスティンが、鞄から宿題を取り出しながら言った。
「ホグワーツでの普通、ってのがどんなんだか分からねぇけどな。なんせ、ピーブズを放置したり、俺達を追い回すのがフィルチとミセス・ノリスだけだったりする学校だし」
「僕達は君と一緒に悪戯なんてしてないよ」
アーニーは不服そうに眉を顰める。
「俺と、フレッドとジョージの事だよ。たまにリーもいるけど。――そうだ! 十月に、二人がホグズミードに連れて行ってくれるんだ。皆も一緒に行くか?」
「あんまり行ったら迷惑だろうから僕は遠慮しとくよ」
ジャスティンの言葉に、アーニーが頷く。
「僕も。それに、見つかったら大変だし……。エリも、あまり入学最初から問題を起こさない方がいいと思うよ」
「ちぇー。ハーマイオニーみたいな事を言う……。ハンナは? 如何する?」
「そうね……私も、最初はやめておくわ。エリが行って来て、結構見つかりにくいもんだったら、二回目は同行させてもらおうかしら」
「お前ら、随分慎重なんだなぁ。見つかる訳ねぇって。だって、悪戯だってまだ減点されてねぇんだぜ?」
「減点されてない、ってのは間違いだよ。正確に言えば、減点された分だけ先生の手伝いとか申し出て稼いでるだけじゃないか」
「細かい事は気にしない! プラマイ零だからいーの! 終わり良ければ全て良しって言うだろ〜」
「何か違う気がする……」
飛行訓練が近付くにつれ、ハーマイオニーはピリピリとしてきた。昼休みと放課後は毎日図書館で過ごし、飛行について調べ尽くしていた。
魔法族の家の子は、ドラコに限らず、誰もがクィディッチの話をした。生憎、サラは例え祖母と暮らしていても、箒に乗った経験は一度も無かった。自分が魔法使いだという事でさえ、夏休みに初めて知ったのだから。
木曜日になり、朝食の席でハーマイオニーは「クィディッチ今昔」で仕入れた飛行のコツを延々と話していた。聞いているのがネビルだけだという事なんて、彼女にとっては何も関係無い様子だ。
ふくろう便が届き、ようやくハーマイオニーの話は遮られた。当然、サラの元へなんて、ハグリッドからの一通だけだ。ハリーも同じだった。スリザリンのテーブルでは、今日もドラコが家から届いたお菓子の包みをこれ見よがしに広げている。ちょうど、エリがその背後を通り過ぎて行く所だった。
別に、何もおかしな事は無い。ただ違和感を覚えたのは、エリが一人でそのまま大広間を出て行った事だった。いつもの仲間は如何したのだろうか。それに、エリはやっと何処からか帰ってきた自分のめんふくろうごと、手紙を持って出て行った。態々大広間を出て行くなんて、一体誰からだろう。
「ハーマイオニー! もういいじゃない。充分に調べたわよ。あとは実践だけだわ。大丈夫よ、箒に乗った事が無いのはハーマイオニーだけじゃないわ」
「待って。もう少し」
ハーマイオニーはそう言いながら、もの凄いスピードで本のページを捲る。
サラは図書室の時計をちらりと見た。
「でも、もう十分前よ。遅れて行ったら元も子もないわ」
ハーマイオニーは本をバタンと閉じる。
「大変! 急がなきゃ!」
玄関ホールを出たところで、サラ達はやっとグリフィンドールの団体に追いついた。
息を整えながら正面階段を下り、皆と共に校庭へと急ぐ。
少し風があるけれど、よく晴れている。こんな空を飛びまわれたら、どんなに気持ち良いだろう。
傾斜のある芝生を下り、校庭を横切って平坦な芝生まで歩いて行く。校庭の反対側には「禁じられた森」が見える。
スリザリン生は既に到着していた。地面には二十本の箒が整然と並べられている。ダイアゴン横丁にあったニンバス2000を始めとする新品の箒とは較ぶべくも無く、古ぼけたものばかりだ。
マダム・フーチがやってきた。白髪を短く切り、鷹のような黄色い目をした魔女だ。
「何をボヤボヤしてるんですか。皆、箒の傍に立って。さあ、早く」
サラ達は慌てて、それぞれ箒の横に立った。
ちらりと足元の箒を見下ろせば、どんな目に遭ったのか所々に焼け焦げがある箒だ。
「右手を箒の上に突き出して」
マダム・フーチが掛け声をかけた。
「そして、『上がれ!』と言う」
その場の全員が「上がれ!」と叫んだ。
箒はパッと飛び上がり、サラの手に収まった。
周りを見回せば、如何やら飛び上がった箒は少なかったらしい。隣のハーマイオニーの箒は地面をころりと転がっただけで、その向こうのネビルの箒なんてピクリとも動かない。ハリーやドラコは一回目で飛び上がったようだった。ドラコの自慢話は、嘘ではないようだ。
次にマダム・フーチは、箒の端から滑り落ちないように跨る方法をやって見せ、生徒達の列の間を縫って、箒の握り方を直した。
それが終われば、とうとう飛行だ。
「さあ、私が笛を吹いたら、地面を強く蹴って下さい。箒はぐらつかないように押さえ、二メートルぐらい浮上して、それから少し前屈みになって直ぐに降りてきて下さい。笛を吹いたらですよ――一、二の――」
マダム・フーチが「三」という前に、ネビルが一気に急上昇した。
「こら、戻ってきなさい!」
先生の大声は届かず、ネビルは更に上へ上へと昇っていく。
サラは咄嗟に地面を蹴っていた。
「サラ!」
何故か、どのようにすれば良いのか分かっていた。ハーマイオニーが叫ぶのも構わず、サラは杖を取り出しながら前屈みになり、地面すれすれをネビルの真下へと突進していく。上空から悲鳴が発せられた。ネビルが箒から離れたのだ。ネビルが降って来る――
「アレスト モメンタム!」
一瞬、ネビルの落下が止まった。
然し完全に止める事は不可能で、ネビルはサラの上へと落下してきた。サラは慌ててネビルのローブを引っつかんで上昇するが、遅かった。ほんの一瞬、ネビルは地面に手をついた。
サラは空中でネビルを箒の上へと引き上げ、ゆっくりと着地した。
マダム・フーチが青い顔でこちらへ駆けて来る。
「二人共、大丈夫ですか!?」
「ネビルが、地面に手を着いてしまったみたいです……」
ネビルはショックで立ち上がれずにいる。顔は真っ青だ。
マダム・フーチはネビルの上にかがみこんだ。
「軽い捻挫のようだけど……マダム・ポンフリーに見てもらった方が良さそうね。さあさあ、ネビル、大丈夫。立って」
ネビルを立ち上がらせ、支えながら先生は私を見下ろす。
「貴女は大丈夫ですか?」
「ええ。この通り」
サラの答えを確認すると、先生は生徒の方に向き直った。
「私がこの子を医務室に連れて行きますから、その間誰も動いてはいけません。箒もそのままにして置いておくように。さもないと、クィディッチの『ク』を言う前にホグワーツから出て行ってもらいますよ。――さあ、行きましょう」
サラは箒を持ち、皆の所へと戻る。ネビルは涙でぐちゃぐちゃの顔になりながら、手首を押さえ、よろよろと歩いていった。
二人が声の届かない所まで行った途端、ドラコが大声で笑い出した。
「あいつの顔を見たか? あの大間抜けの」
それを合図に、他のスリザリン生達も一斉にはやし立てる。
「やめてよ、マルフォイ」
パーバティ・パチルが咎めた。
「へー、ロングボトムの方を持つの?」
パンジー・パーキンソンが冷やかすように言う。
「パーバティったら、まさか貴女が、チビデブの泣き虫小僧に気があるなんて知らなかったわ」
「見ろよ!」
少し離れた位置にある草むらから、ドラコが何かを拾い出した。
「ロングボトムのばあさんが送ってきたバカ玉だ」
それは「思い出し玉」だった。本で見た事がある。
「思い出し玉」は高々と差し上げられ、キラキラと陽に輝いている。
「マルフォイ、こっちへ渡してもらおう」
ハリーの静かな声に、その場の全員がピタリと会話を止めた。
ドラコはニヤリと笑う。
「それじゃ、ロングボトムが後で取りに来られる所に置いておくよ。そうだな――木の上なんてどうだい?」
「私が預かるわ。だから、貸してくれない? ドラコ」
笑顔で言ってみると、ドラコは一瞬迷うようにちらりと自分の手の中の「思い出し玉」を見た。然し、やはり駄目だった。
「いくらサラでもね。心配しなくても、何処に置いたかはロングボトムにちゃんと教えるさ」
『シャノン〜。あの木の上に引っかかってるのって、あんたの上履きじゃないー?』
『取りに行ったら?』
『感謝してよねー。教えてやったんだからさー』
サラは俯き、唇を噛む。
一瞬、ドラコがあの頃のクラスメイトとかぶって見えた。
「こっちに渡せよ!」
ハリーが強い口調で言った。
ドラコは黙り込んだ私を伺うように見ていたが、それで我に返り、ひらりと箒に乗り飛び上がった。
「ここまで取りに来いよ、ポッター」
「駄目! フーチ先生が仰ったでしょう、動いちゃいけないって。私達皆が迷惑するのよ」
ハーマイオニーの言葉を無視し、ハリーは箒に跨り、地面を強く蹴って飛んでいった。
周りの女子生徒がキャーキャーと叫ぶ声を、サラはぼんやりと「禁じられた森」の木々を見つめながら聞いていた。
「大変だわ。如何して、皆の迷惑とか考えないのかしら。若しも先生に見つかったら……」
ハーマイオニーはぶつぶつと言っているが、誰も聞いている者はいない。
そのハーマイオニーが、ふと、サラに目を向けた。
「――サラ、如何したの?」
「え。何が?」
サラは咄嗟に笑顔を見せ、そう聞き返した。
その時、歓声は悲鳴に変わった。
見れば、ハリーは「思い出し玉」を追って急降下している。ドラコはいつの間にやら地上に戻ってきていた。
ハリーは空中で「思い出し玉」をキャッチし、間一髪で箒を水平に立て直し、草の上に転がるように軟着陸した。
「ハリー・ポッター……!」
マクゴナガルが走ってきていた。グリフィンドール生の歓声も、一気に消えていく。
「まさか――こんな事はホグワーツで一度も……よくもまあ、そんな大それた事を……首の骨を折ったかもしれないのに――」
先生はつかえながら言う。眼鏡が激しく光っている。
「先生、ハリーが悪いんじゃないんです……」
「お黙りなさい。ミス・パチル――」
「でも、マルフォイが……」
「くどいですよ、ミスター・ウィーズリー。ポッター、一緒にいらっしゃい。ミス・シャノンも」
付け足すように言われた言葉に、サラは耳を疑った。疑いたかった。
「――私も……ですか?」
「ええ。この場にシャノンは貴女だけでしょう。おいでなさい。マダム・フーチが、貴女の事を話して下さいました――」
さーっと血の気が失せていった。
サラの事は許してくれたのだろうと思っていたのに。勝手に箒で飛び立ったら、退学。それは、先生がそれを言った後の事だと思っていたのに。
「早く来なさい。シャノン」
サラは、その場に留まろうとする足を無理矢理に動かしてマクゴナガルとハリーの後をついて行った。皆マクゴナガル先生に圧倒され、サラも呼ばれた事に驚き、何も言わなかった。
マクゴナガルは飛ぶようにして歩いていった。サラもハリーも、殆ど駆け足になってついていく。
サラはこのまま退学になってしまうのだろうか。小学校に戻らなくてはいけないのだろうか。ハグリッドは退学になったが、ホグワーツで森番として働いている。サラもそうやってホグワーツに置いてもらえるだろうか。
だって、日本には私の居場所が無い。
マクゴナガルは教室の前で立ち止まり、ドアを開けて中に顔を覗かせた。
「フリットウィック先生。申し訳ありませんが、ちょっとウッドをお借りできませんか」
サラとハリーは顔を見合わせた。
ウッド? もちろん、日本語に直せば木だ。木材だ。だが、フィルチならまだしも、マクゴナガルが生徒を叱るのに木を必要とするだろうか。
ウッドは人間だった。
呪文学の教室から出てきたのはたくましい五年生で、何事だろうという顔をしていた。
「三人とも私についていらっしゃい」
マクゴナガルはそれだけ言って、また同じ調子で廊下を歩き出した。ウッドは、物珍しそうにサラとハリーを見ている。サラには傷痕という特徴は無いが、この二週間で既にホグワーツの生徒達は、サラの顔を知っていた。
「お入りなさい」
マクゴナガルは人気の無い教室を示した。
黒板に下品な言葉を書きなぐっていたピーブズを教室から追い出し、先生はドアをぴしゃりと閉めて、サラ達に向き直った。
「ポッター、シャノン、こちら、オリバー・ウッドです。ウッド、新しいシーカーとチェイサーを見つけましたよ」
狐につままれたようだったウッドの表情がほころんだ。
「本当ですか!?」
「間違いありません。この子達は生まれつきそうなんです。あんな物を私は初めて見ました。ポッター、初めてなんでしょう? 箒に乗ったのは」
ハリーは黙って頷いた。先生は、続いてサラの方を見た。
「マダム・フーチは、シャノンが数十メートル上から落下するネビル・ロングボトムを助けたと――本当ですよね? 貴女も、箒に乗ったのは初めてでしょう?」
「はい」
如何やら、退学処分という訳ではないらしい。
マクゴナガルはウッドに説明している。
「ポッターは、今手に持っている玉を、十六メートルもダイビングして掴みました。掠り傷一つ負わずに。チャーリー・ウィーズリーだってそんな事出来ませんでしたよ。
シャノンは、今言った通りです。数十メートル上空から落下するネビル・ロングボトムを助けて――お陰で、ロングボトムは軽い捻挫で済みました。そんなに高くから落ちたら、普通なら捻挫でなんて済みませんよ」
ウッドは、ぱあぁっと顔を輝かせた。
「ポッター、シャノン、クィディッチの試合を見た事あるかい?」
「ウッドはグリフィンドール・チームのキャプテンです」
「ポッターはシーカーだな、やっぱり。すると、シャノンはチェイサーか。ポッターは体格もシーカーにぴったりだ。シャノンは――まあ、作戦次第で何とかなるだろう」
如何いう意味だ。
「オフェンスには向いてるだろうな。ぶつかり合いが無いように試合を持っていけば……身軽だし、すばしこいし……相応しい箒を持たせないといけませんね、先生――ニンバス2000とか、クリーンスイープの7号なんかがいいですね」
「私からダンブルドアに話してみましょう。一年生の規則を曲げられるかどうか。是が非でも去年よりは強いチームにしなければ。あの最終試合でスリザリンにペシャンコにされて、私はそれから何週間もセブルス・スネイプの顔をまともに見られませんでしたよ……」
マクゴナガルは、眼鏡越しに厳格な目つきでサラとハリーを見た。
「ポッター、シャノン、貴方達が厳しい練習を積んでいるという報告を聞きたいものです。さもないと処罰について考え直すかもしれませんよ」
そして、にっこりと微笑んだ。もちろん、ナミのような裏のある微笑では無い。
「ハリー、貴方のお父様がどんなにお喜びになった事か。お父様も素晴らしい選手でした。
サラの貴女のおばあ様もおじい様もです。きっと、お喜びになった事でしょう」
「一年生の選手なんて、ここ百年、一人もいなかった。君達は最年少の選手だ――」
然し、そこで授業終了を告げるチャイムが鳴り、廊下にどっと生徒が出てきた。
「じゃあ、来週から練習開始だ。誰にも言うなよ。君達の事は極秘だ――ルールは、練習の時に教えるよ」
ウッドはそう言うと、マクゴナガルに軽く頭を下げ、廊下を曲がって見えなくなった。
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The Blood
第1部
希望求めし少女たちは
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2007/01/10