観客席はざわざわとしていた。固唾を呑んで迷路を見つめる者も少なくないが、全く状況の分からない試合に見飽きて友達と話をする者も多い。
「どうしたんだよ、サラ!? 真っ青だよ!」
ふと、ロンが叫んだ。ハーマイオニーも振り返る。
「大丈夫? 座っていた方が……」
「平気。少し、寒いだけよ」
サラはそう言って少し微笑う。
「寒いって、全然平気じゃないじゃないか」
「熱でもあるんじゃない?」
「大丈夫。そう言う寒さじゃないの」
物理的な寒さとは異なるものだった。言い知れない不安。嫌な予感がしてならない。
ぎゅ、とサラは観客席の柵を掴む手に力を込める。
この不安は、三大魔法学校対抗試合の最終戦ゆえなのか。選手でないサラは、ハリーが今どうしているのか図り知る事が出来ない。ここで帰りを待つしか無い。それがもどかしくてならない。
ふと、視界にノイズが入った。明滅し、現れたのは暗い細道。四方を取り囲むように生垣が植わっている。その情景は、一年生の頃に禁じられた森に入った時の事を思い起こさせた。
傍らに、大きな蜘蛛が引っくり返っていた。ロンが見たら卒倒するだろう。蜘蛛の向こうには、二つの影。
辺りの風景が歪み、色が渦巻く。
降り立ったのは、更に暗い墓場だった。状況を掴む間も無く、緑の閃光が瞬く。現れた影が、茫然自失としているハリーを引きずって行く。墓石の一つに、ハリーの身体が拘束される。
目の前には、大鍋。立ち上る煙。その中に揺らめく人影――
「サラ――サラっ!!」
呼び掛ける声に、サラは目を開いた。
いつの間にか、サラは地面に横転していた。ロンとハーマイオニーが、心配そうにサラの顔を覗き込んでいる。
「大丈夫? 医務室に行ってた方がいいんじゃ……」
サラはがばっと起き上がり、観客席から身を乗り出す。
競技場に作り出された巨大迷路。観客席は明るいが、高い生垣に囲まれたあの中はさぞかし暗い事だろう。
「……止めなきゃ」
「え?」
「サラ?」
呟くなり、サラは駆け出していた。
高い生垣。あれは、第三の課題の迷路だ。蜘蛛は恐らく、迷路に設置された障害。乗り越えたハリーとセドリック・ディゴリーは、優勝杯の前に立つ。そして――
サラは審査員席へと駆けつける。クラムの脱落への対応からは既に戻って来ている。
「ダンブルドア先生! 試合を中止してください!!」
サラは声を張り上げる。審査員陣は、唖然としていた。
真っ先に口を挟んだのは、驚いた事にカルカロフだった。
「どうかしたのか? もしや――不正があったとか?」
「いえ……そう言う訳では……」
サラは口ごもる。カルカロフはややがっかりしたようにも見えた。
「何かあったのかの?」
ダンブルドアの青い瞳がサラを審査員席から見下ろす。どうにも居心地の悪さを感じる、彼の視線。しかし今は、そんな事を言っている場合ではない。サラは真っ直ぐに、彼を見据えた。
「優勝杯が、ポートキーになっているんです。二人は校外に連れて行かれます――何者かにすり替えられたんです。止めてください」
「君は、すり替えられるところを見たと?」
口を挟んだのはルード・バグマンだった。
「あ……いえ……」
「では、何故すり替えられたなどと?」
「……」
サラは答える事が出来ない。
夢で見たと言っても、信じてもらえるとは思えなかった。バグマンはきっぱりと言い放つ。
「試合を中止させる訳にはいかない。これはルールだ」
「しかし……もし、彼女の言う通り優勝杯がすり替えられているとすれば?」
「優勝杯はこの上ない警備でしっかりと保管されていた。君も十分知っているだろう、カルカロフ」
「『視た』のかね?」
ダンブルドアが、サラに尋ねる。サラは目を瞬く。まるで、サラが夢を見た事を知っているかのような口ぶり。今までに見たどの予知夢も、彼に話してはいないというのに。
サラは、ゆっくりと頷く。
「はい」
ダンブルドアは、バグマンを振り返った。
「ルード、選手達には悪いが試合を停止してカップを調べられんかの?」
バグマンは目を丸くする。
「あなたまで一体何を。証拠も無しに彼女の言葉を信じるとでも? これだけの規模の試合を停止すると言う事が、どう言う事か分かるだろう」
どうやら、ダンブルドアの独断ではどうにもならないらしい。最終権限は、バグマンなのか。しかし、当の彼は頑として譲らない。
サラは迷路を振り返る。――このままでは間に合わない。
サラは踵を返すと、再び駆け出した。ハリー達が入って行った辺りまで回り込むが、既に入口は封鎖されていた。平坦な生垣が延々と続き、跡形も無い。
高い高い生垣。ハグリッドでさえも、中を覗き込むことは不可能だろう。観客席からでも、あまりに高いがために地面までは見えない。箒でも無ければ、生垣を超える事は不可能。
観客席を振り返る。一か八か、上から飛び降りてみるか。グリフィンドールの寝室にあるニンバスを呼んでも、今からでは間に合わないだろう。
その時ふと、サラの視界に二人の人影が移った。観客席の下を歩いて行くムーディとエリ。エリは先ほど、審査員とごたごたを起こしていた。その関係だろうか。
何はともあれ、サラにとっては非常に好都合だった。サラは、杖を引っ張り出しエリに向ける。
「アクシオ!」
エリの手から箒が離れ、サラの方へと飛んで来る。サラは駆け寄り、それに飛び乗った。飛んで来た赤い閃光をかわし、迷路の上へと飛び上がる。
思いがけない場内乱入に、場が騒然とするのが分かった。驚きの声も罵る声も意に介さず、サラは迷路の中央へと飛び込んで行く。
中央にぽっかりと広く空いた空間。横転している巨大な蜘蛛。中央に置かれたカップ。その前に立つ二人。
サラは急降下しながら叫んだ。
「それに触れちゃ駄目――!!」
ハリーとセドリックの手が、優勝杯に伸びる。サラの手が、ハリーに伸びる。
サラの身体が箒から離れる。そして、世界が渦巻いた。
No.29
「サラ!?」
己が手を離れた箒。それに乗って迷路へと滑空する人物を見て、エリは声を上げた。
と、ムーディが杖を上げた。エリは慌ててその腕にしがみ付く。赤い閃光はサラの背をそれ、虚空へ消えて行った。
「何やってんだよ、先生!?」
「あれこそ不正だろう。選手でない生徒の乱入を許す訳にいかん」
「それはまあ、そうかもだけど……」
エリは迷路を振り返る。サラは中心部まで飛んで行ってしまっていた。客席がざわめく。
不意に、背後で低い声がした。
「インペリオ」
驚きに声を上げる間も振り返る間も無かった。心身を解すような温かな感覚が身体中を駆け巡る。無性に気分が高揚する一方で、頭はぼんやりとして来る。
何事も無かった。全てはエリの勘違いであり、ムーディは巡回しているだけだった。全てはエリの見間違い――
「見間違い……じゃねぇ!!」
ふっと周囲の音が戻って来て、音も聞こえていなかったのだと気付く。
直後に足に痛みが走り、エリは膝を突いた。じんわりとローブが紅く染まる。カランと音を立て、銀製のニフが地面に捨てられた。
「貴様に服従の呪文の対抗手段を教えたのは、間違いだったようだ」
「ム……ディ……?」
ムーディは乱暴にエリの後ろ襟を掴む。そのままエリは引きずられて行った。地面を引きずられる衝撃に痛みが響いて、エリは左足を庇う。左の太腿がじんじんと痛かった。
やがてムーディは立ち止まり、エリを地面に投げ捨てた。
「ぐあっ」
思わず左足を支えにしてしまい、小さな悲鳴を上げその場に転倒する。木々が視界に入った。森の縁らしい。
位置を把握する間も無く、エリは横に転がった。赤い光が、地面に当たって消える。
エリは上体を起こし、ムーディを見る。彼は何の感慨も無い無表情だった。そこにあるのは、殺気のみ。
彼は、エリに服従の呪文をかけようとした。補習などではない。本気だった。そして、こんな人気の無い所へとエリを引きずって来た。友好的な目的とは到底思えない。
「嘘だろ……なんで……」
「君に騒がれては困るからな」
エリはムーディを見つめる。彼は平然としていた。
サラが祖母の仇を討とうとしていた時と同じ。彼は、本気だ。そこに迷いなど一欠けらも無い。
「お前はいつも、邪魔になるばかりだった」
ムーディは淡々と話す。いつものムーディとは思えない雰囲気が、彼にはあった。
「お前自身が何かに勘付いて探りを入れている訳でもないのに、毎回何かと障害になるばかりだ。目障りだ。勝手に動かれるぐらいならそばに置いた方が良いかと思ったが……補習内容は、少々誤ったようだな」
エリはポケットから杖を引っ張り出したが、向ける間も無く右肩を衝撃が襲った。血が噴出し、エリは杖を取り落とす。
紅く滲む傷口を押さえ痛みに耐えるエリの頭上で、彼の声がした。
「今夜、闇の帝王が蘇る」
エリは顔を上げる。ムーディは、エリの直ぐ正面まで迫っていた。彼の足の下には、エリの杖。
「先生……? 何言って……そんな呼び方……」
服従の呪文に対抗出来るようになりたい。そう言ったエリに、その術を教えてくれたムーディ。危険に目は光らせながらも、悪戯に対しては比較的寛容で彼に対しての攻撃でなければ案外冗談も通じた。
その彼が、まさか。
「しかし君が、本当に服従の呪文に対抗出来るようになるとは思わなかった。どうやらお前は、才能があるようだ。少々煩雑なところがあるのが玉に瑕だが、その気になれば物覚えが悪いと言う訳でもない。反射神経については、十四の魔女にしては優秀過ぎるぐらいだ。
どうだ、エリ・モリイ。お前が望むと言うならば、仲間に入れるよう便宜を図ってやろう。あの方もきっとお気に召す事だろう。血筋も申し分無い事だしな」
言って、彼は口元に笑みを浮かべた。
乾いた風が何も無い暗がりを吹き抜けていく。
あまりにも突然の出来事の連続に、ハリーとセドリックは唖然としていた。
「サラ!? 一体どうして……」
「ここは何処だろう? 課題の続きかな? ――君がここにいる事と、もしかして関係があるのかい?」
そう言って、セドリックはサラに視線を向ける。
サラは頷いた。
「杖を下ろさないで。何処に奴が潜んでいるか分からないわ」
「それは湖のマーピープルどころでなく、命に関わると言う事だね? だから君は、ハリーを止めようとした」
「ごめんなさい」
淡々とサラは答える。否定する事など何も無かった。
ハリーは首を傾げる。
「どう言う事?」
「サラは、僕が優勝杯を取るのを邪魔しに来た訳じゃないって事さ。君の肩を掴んでいただろう。何か知ってるんだろう。僕を止めるのでなく、この先にある危険にハリー、君を向かわせたくなかった。彼女は随分と、君を大切に思っているよ」
「セドリック。言っておくけど、僕とサラは別に――」
「分かってるさ。リータ・スキーターの記事がゴシップだって事はね。君は試合のために卑怯な手管を使うような男じゃない。ましてや、闇の魔術なんて」
ハリーとサラをこき下ろしていた今朝の記事。セドリックも、それを目にしたらしい。
「誰か来る」
そう言ったのは、ハリーだった。サラは弾かれたように振り返り、杖をそちらに向ける。
こちらに近付いて来る人影があった。フードを目深に被っていて、顔は分からない。気配も消すという徹底ぶりだ。腕には、布に包まれた何かを抱えている。赤ん坊のように見えた。
少し先で、フードの人物は立ち止まった。小柄だ。ハリーよりも小さいだろう。もしかしたら、サラと同じくらいの背丈かも知れない。
不意に、背後で崩れ落ちる物音がした。
「ハリー!」
ハリーが額を抑え、膝をついていた。サラはその傍らに屈み込む。
ぐらぐらと揺れる身体を、サラは支える。背を向けてしまったフードの男の方から、冷たい声がした。
「余計な奴は殺せ」
しまった。
そう思った時には遅かった。フードの人物が呪文を唱える。振り返った目に飛び込んできたのは、緑の閃光。
波の音が脳裏に蘇る。
セドリックが倒れた。
呪文を受け倒れる祖母の身体。
彼の身体は地面に横たわったまま、動かない。目は見開かれたまま、瞬き一つしない。
落ちて行った。何も出来ずに。
飛んで来た赤い閃光を、サラは防ぎきる事が出来なかった。
闇を劈くような悲鳴に、サラは目を覚ました。
咄嗟に立ち上がろうとしたが、それは叶わなかった。サラの身体は、墓石に硬く縛り付けられていた。直ぐ横に、ハリーがいてぎゅっと目を瞑っていた。杖は、数メートル先にセドリックの遺体と共に転がっている。サラはあの場で気絶し、運ばれて来たようだ。
墓石に縛り付けられたハリー。冷たくなり動かなくなってしまったセドリック。目の前には、大きな鍋。夢に見たあの光景と、同じ。
足音がして、そちらに意識を向ける。そして、サラは目を見開いた。
「ペティグリュー……!」
サラとハリーの前に立ったのは、ピーター・ペティグリューだった。ハリーとサラをヴォルデモートに売り、家庭を壊した人物。裏切り者。
彼の手には、短剣があった。
「待ちなさい! 何をする気!? ハリーに手出しするようなら、私が許さない!!」
もがけども、縄がきつく食い込むばかり。ペティグリューは、ハリーの前に屈み込む。
「敵の血……力ずくで奪われん。……汝は……敵を蘇らせん」
震える声。そして彼は、その場に膝をついた。喉を押さえて呻く。
サラは、じっとペティグリューを睨み据えていた。
「忘れたかしら? 杖なんて無くても、魔法は使える……入学前から、そうしてきたのだから。あなたのおかげでね」
杖を持たない方の彼の手が、サラに伸びた。前髪を掴まれ、サラは後頭部を強く墓石に打ち付ける。
「……っ」
意識こそ飛ばないものの、打ち付けた頭はずきずきと痛む。視界はぐらぐらと揺れていた。
「サラ! サラ、大丈夫!?」
「平気よ……ハリーは」
ハリーに目を向けると、ローブの腕の辺りが血で滲んでいた。ペティグリューはそそくさと、鍋の方へと戻って行く。サラの視界から逃れるように、鍋の向こう側へと身を隠した。
「ハリー、それ……!」
「大丈夫。血は出てるけど、大した事は無いんだ」
言って、ハリーは口を閉ざす。その目は、鍋の方へと向けられていた。
鍋の中身は今や、光り輝き四方八方に眩い閃光を放っていた。その光が突如として無くなり、突然の暗転に視界が悪くなる。直ぐに目が慣れ、濛々たる蒸気が立ち上っているのが分かった。湯気は霧のように辺りを包み込み、全てを覆い尽くす。直ぐ隣にいるハリー以外は、鍋も、ペティグリューも、セドリックも、見えなくなってしまっていた。
「失敗だ……」
ハリーが呟いた。それを願っているような語調だった。
ぞわりと悪寒がサラを襲った。鍋の中に生じる強い気配。次いで、蒸気の向こうで立ち上がる人影。
「ローブを着せろ」
冷たい声がした。ペティグリューは片手でローブをその影にかぶせる。その時初めて、彼のもう片方の腕が、手首から先が無くなっている事にサラは気付いた。
影は鍋を跨ぎ、出てくる。蒸気が晴れる。白い顔。真っ赤な瞳。切れ込みのような鼻。
サラは一体、何のためにここへ来たのか。
運命は捻じ曲げる事が出来ず、悪夢は現実のものとなってしまった。ヴォルデモートは復活したのだ。
彼は周囲に気を留める様子も無く、元に戻った自分の身体を丹念に調べていた。骨ばった青白い長い指で、自身の腕や顔に触れる。それから杖を取り出し、いとおしむように撫でた。かと思うと、杖をペティグリューに向け、元に戻った力を試す。墓石に叩きつけられたペティグリューはサラ達の足元に落ち、泣き喚いていた。
フ、と思わずサラは鼻で嗤った。この男は何を思って、ヴォルデモートに味方などしたのか。彼のような矮小な男を、ヴォルデモートが目をかけるとも思えない。ただ恐れて、傅いて、その結果がこの有様だ。同情など沸きはしないが、憐れな男だと思う。
ペティグリューは、慈悲を請うかのようにヴォルデモートに呼び掛ける。そのペティグリューに、ヴォルデモートは腕を出すよう言いつけた。怪我をしている方ではなく、左腕を。
「ご主人様。どうか……それだけは……」
渋るペティグリューの手を無理に引っ張り、ヴォルデモートは彼のローブの袖を捲り上げる。そこには、刺青のような模様があった。赤い髑髏。クィディッチワールドカップの日に上がった、あの印と同じものだ。
ペティグリューは猶も泣き続けていた。ヴォルデモートが構う様子は無い。
「戻っているな。全員が、これに気付いたはずだ……そして、今こそ判るのだ……今こそはっきりする……」
ヴォルデモートは、その長い人差し指を彼の腕にある闇の印に押し当てた。ペティグリューが再び叫び声を上げる。隣で、ハリーも呻き声を上げた。サラは慌てて振り返る。
「ハリー! ハリー!?」
ハリーは直ぐに、もがくのをやめた。痛みに顔を歪めながらも、ヴォルデモートらの方に目を向ける。サラも、再度そちらに視線を向ける。
「それを感じた時、戻る勇気のある者が何人いるか。そして、離れようとする愚か者が何人いるか」
ヴォルデモートはサラ達とペティグリューとの間を、行ったり来たりし始めた。何かを待つように墓場を見渡すが、何も現れる様子は無い。
やがて彼は立ち止まり、サラとハリーを見下ろした。
「ハリー・ポッター、サラ・シャノン。お前達は、私の父の遺骸の上にいる。私の父……つまり、サラ。お前の祖母の叔父の上にな」
「は……?」
何を言い出したのか、解らなかった。
祖母の叔父? 誰が? ヴォルデモートの父親が? それは、つまり――
「尤も、羨ましい事にお前達は奴とは血が繋がっていないが。マグルの愚か者よ……ハリー、ちょうどお前の母親のように。しかし、どちらも使い道はあった訳だな? お前の母親は子供を守って死んだ……私は父親を殺した。死んだ父親がどんなに役立ったか、見た通りだ……ああ、サラは見ていないな。後でじっくり聞かせてやろう……」
ヴォルデモートは言って、笑う。そして再び、辺りを見回した。大きな蛇が、円を描くように這いずり回っていた。
「今夜はハリーのみを連れて来る手筈だったが、いずれ同じ事だ。
私の手を取るのだ、サラ。お前の祖母と私は、いとこであった。我々の先祖たるサラザール・スリザリンの野望を、今共に遂げようではないか」
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2012/01/03