フレッドとジョージの大脱走劇は、学校中で語られる伝説となっていた。彼らが廊下に残して行った沼地や、売りさばいていた「ずる休みスナックボックス」が、なおさら影響を持続させた。アンブリッジが授業に訪れると、生徒達は次々と失神したり鼻血を流したりした。アンブリッジは当然怪しんだが、結局原因を突き止めるには至らず生徒達がぞろぞろと医務室へ向かうのを許可せざるを得なかった。
城中の興奮が冷めやらぬ中、翌日には進路指導の面接があった。喜ばしい事に、サラの面接の時間は魔法薬学と重なっていた。
「あの、スネイプ先生……今日は進路の面接があるんです。授業の途中の時間帯で……」
「それでは、今日は前回の調合の続きを行ってもらう……諸君らがまともに調合していたのであれば、薬は鮮明なトルコ色に変色しているはずである……」
スネイプはサラの事を完全無視して、授業を開始した。目を合わせようとすらしなかった。
時間になり、サラは荷物をまとめて地下牢教室を後にした。一応、一言声をかけてはみたが、スネイプの返答は無かった。嫌味や減点はなかったので、了承したものと見るしかない。
スネイプの無視は、いったいいつまで続くのだろうか。ネチネチとやられるよりは、今の無視状態の方がずっとマシだ。しかし、必要な話にも応答しないと言うのはいくら何でも問題ではないだろうか。もっとも、ハーマイオニーが手を挙げていようとも無視して「誰も分からない」なんて言ったりするぐらいだ。返答があったとしても、まともに会話になった覚えはほとんど無いが……。
フレッドとジョージがアンブリッジを引き付けている間に、ハリーはアンブリッジの部屋の暖炉からシリウスに連絡を取った。しかし、どんな話をしたのか、具体的な事は何も聞けないままだった。憂いの篩で見た事について、サラはロンとハーマイオニーには話す気はなかった。どうやらそれは、ハリーも同じらしい。占い学の授業ならハーマイオニーはいないが、ロンも一緒だ。放課後ならロンはクィディッチの練習だが、ハーマイオニーがいる。シリウスとどんな話をしたのか、ハリーにこっそりと聞けるような機会は全くなかった。
サラとハリーがスネイプの記憶を見てしまって以来、エリもスネイプに避けられていると言っていた。サラやハリーと同じような扱いを受けているのだろうか。自分達のせいでエリが理由も分からず巻き込まれているのは罪悪感のようなものがあったが、しかしサラはどうして良いか分からなかった。そもそも、どうにかした方が良い事なのだろうか。こんな事でエリにも八つ当たりするようならば、むしろこのまま別れてしまった方がエリのためではないだろうかとすら思えた。
マクゴナガルの部屋の前に辿り着き、サラは深く息を吸った。
ハリーの進路相談では、アンブリッジが同席していたらしい。恐らく、サラの面接にも来ている事だろう。彼女が来て、ただ大人しく部屋の隅で見ているだけのはずがない。何があろうとも、彼女の思惑に乗らないように気を付けなくては。
ゆっくりと息を吐くと、サラはマクゴナガルの部屋へと入って行った。
No.63
五月も最後の週末には、クィディッチの最終戦となるグリフィンドール対レイブンクロー戦が待ち構えていた。ハッフルパフ対スリザリン戦は、殺気立ったエリに気圧されるようにしてスリザリンが敗北し、理論上はグリフィンドールにも優勝のチャンスが残されていた。
最終戦でレイブンクローに勝てば、グリフィンドールの優勝だ。しかし、実際にレイブンクローに勝つ望みがあるかと言うと、それは非常に厳しいと言わざるを得なかった。
その主たる要因であるロンは、緊張や落ち込みを通り越していた。
「一つだけ良い事があるよ」
試合の朝、大広間でロンは暗い顔をしてハリーとハーマイオニーとサラに言った。
「僕はこれ以上、下手になりようがない。つまり、失うものは何もないんだ」
全てを諦めたようなロンに、サラは何と声をかけて良いか分からなかった。
空は青く晴れ渡り、絶好のクィディッチ日和だった。この澄み切った空を飛ぶ事が出来たら、スネイプの記憶を見てからずっと続いているモヤモヤも一時忘れて、心が晴れたかもしれない。ハリーとハーマイオニーと共に観客席へと向かいながら、サラはどこか地下に囚われたニンバスを思うと憂鬱になった。
「でも、もしかしたら、フレッドとジョージがいない方が、ロンは上手くやれるかもしれないわ。あの二人は、ロンにあまり自信を持たせなかったから」
そう話すハーマイオニーの横を通り抜けて行った姿を見て、一瞬、サラは鷲が低空飛行をして行ったのかと思った。三人の後を追い越して行ったのは、ルーナ・ラブグッドだった。頭には、生きた鷲のようなものを止まっていて、ゆっくりと翼を羽ばたかせていた。
「何あれ……本物……?」
「あっ。まあ、忘れてた! チョウがプレイするんだったわね?」
鷲を見てハーマイオニーが声を上げ、ハリーを振り返った。ハリーは何とも言えない表情で、唸るように相槌を打っただけだった。
チョウと何かあったのだろうか。サラはハーマイオニーへと目を向けたが、ハーマイオニーも何も知らないらしく、小さく肩をすくめただけだった。
試合は案の定、レイブンクローの優勢だった。キャプテンのデイビースがクアッフルを取り、ゴールへと向かう。右だ。ああ、サラがマークしていればあのフェイントには引っかからなかったのに――デイビースが腕を振りかぶる――駄目だ、ロンは緊張して動きが鈍っている――ゴール。レイブンクローの先取点だ。
向かい側のスタンドで、スリザリン生達による「ウィーズリーは我が王者」の大合唱が始まる。これで、ロンがますます焦って取れるボールも取れなくなるのは間違いなかった。
「ハリー、サラ、ハーマイオニー……」
低く囁くような声に、三人は振り返った。
ハグリッドが後ろの席から顔を突き出すようにしていた。目立ちたくないかのように腰を曲げて頭を低くしていたが、それでも周りの人間より一メートルも高く、到底無理な話だった。
「なあ、一緒に来てくれねぇか? 今すぐ……皆が、試合を見ている内に」
「あ……待てないの、ハグリッド? 試合が終わるまで……」
「駄目だ。ハリー、今でねえと駄目だ……皆が他に気を取られている内に……なっ?」
サラは身構えた。ハグリッドがこんな話し方をするのは、何か厄介事を持ち込んで来た時だ。今度はどんな危険な生物の卵か、それとも尻尾爆発スクリュートを超える生物を作り出してしまったのか。
「いいよ。もちろん、行くよ」
ハリーが即座に答えた。何にせよ、ぐずぐずしていても状況が良くなる事はないのは確かだ。
サラ達は席を抜け出し、ハグリッドと共にスタンドを降りて行った。サラはきょろきょろと各スタンドを見回す。幸い、アンブリッジは今回の試合は見に来ていないようだった。もしここにアンブリッジがいたなら、試合中にコソコソと抜け出すサラ達を見て不審に思うに決まっている。
ハグリッドに連れて行かれた先で見たのは、思いもよらない「厄介事」だった。
「一人連れ帰って、森に隠してた?」
クィディッチ最終戦は、グリフィンドールが勝利を収めた。どうやら、サラ達が抜け出した後にロンが大活躍したらしい。
試合を見ていなかった申し訳なさと、勝利の喜びを噛みしめているロンに水を差したくないのとで、三人はハグリッドから頼まれた話をロンに伝えるのを、翌日まで待った。
ハグリッドが自分の異父弟に当たる巨人を一人連れ帰っていた事を知ったロンは、あんぐりと口を開けていた。
「まさか……まさか、そんな事しないだろう」
「それが、したのよ。グロウプは約五メートルの背丈で、六メートルもの松の木を引っこ抜くのが好きで、私の事は『ハーミー』って名前で知っているわ」
ロンは笑おうとしたが、頬がピクピクと引き攣ったように動いただけだった。
「それで、ハグリッドが僕達にしてほしい事って……?」
「英語を教える事。うん」
「正気を失ってるな」
「ほんと、そう。私も、ハグリッドがおかしくなったと思い始めてるのよ。でも、残念ながら、私達三人とも約束させられたの」
「じゃ、約束を破らないといけない。それで決まりさ」
ロンはきっぱりと言った。
「だってさ、いいか……試験が迫ってるんだぜ。しかも、あとこれくらいで、僕達追い出されそうなんだぜ。何もしなくとも」
ロンは片手を挙げ、親指と人差し指をほとんどくっつくほどに近付けて見せた。
「でも、それじゃあ、ハグリッドが追い出されたら、グロウプはどうするの?」
サラは言った。
「アンブリッジが、グロウプを連れ出す猶予を与えてくれるとは思えないわ。食事は自分でするって言っても、こんなに近くに巨人がいるのに誰もその状態を把握してないなんて事になったら……」
「ハグリッドはまだクビになってないだろ? これまで持ち堪えたんだ。今学期一杯もつかもしれないし、そしたらグロウプの所に行かなくて済むかもしれない」
ロンの言葉は、説得と言うよりもまるでそう祈るかのようだった。
サラ達も、いつまでもグロウプの心配をしている訳にはいかなかった。クィディッチ最終戦が終わると、普通魔法レベル試験――通称ふくろうが、目前に迫って来ていた。四人とも勉強に忙殺され、ハグリッドの様子を見に行く暇など全くなかった。もっとも、ただでさえハグリッドはアンブリッジから目を付けられ、授業も毎回のように視察が入っているのだ。アンブリッジに気付かれずにグロウプの話をハグリッドに持ち掛けるなど、到底無理な話だった。
試験が近付くにつれ、さすがにサラもアニメーガスの練習よりも試験の過去問や復習に時間を割かなければならなくなっていった。
そしてとうとう、「その日」が来た。
最初の試験は、呪文学だった。朝食が終わると、大広間は一時封鎖され、生徒たちは玄関ホールで九時半になるのを待った。クラスごとに呼ばれて大広間に戻ると、いつもの寮ごとのテーブルは片付けられ、代わりに日本の小学校のような一人ずつの椅子と机が一つ一つ間隔を空けて並べられていた。スネイプの憂いの篩で見たのと、同じ光景だ。もしマグルの中学校へ進学していたなら、受験とはこんな感じなのだろうかとサラはふと思った。
肝心のテストについては、思っていたよりも楽なものだった。五年間の総復習。呪文のみを書く問題については、全問正解出来た自信がある。記述式の問題については、どこまで書いていれば良いのか、不足がないか、その辺りが何とも言えない。
「まあ、それほど大変じゃなかったわよね?」
試験が終わり、再び玄関ホールへと出て、ハーマイオニーが言った。
「『元気の出る呪文』を十分に答えたかどうか自信がないわ。時間が足りなくなっちゃって。しゃっくりを止める反対呪文を書いた? 私、判断がつかなくて。書き過ぎるような気がしたし……」
「書かなかったわ。問いは、あくまでも『元気の出る呪文』についてでしょう? 関連しているだけで、そこまで書いちゃうと要点から逸脱してしまうだろうし……ねえ、それより23番って引っ掛けって判断で良いわよね? わざわざ『恒常的に』なんて書いているって事は……まさか、ふくろうで何も考えず単語を付け足したって事はないでしょうし……」
「あっ、やっぱりそうよね? 良かった、そこ、私も迷ったのよ。サラも同じ考えなら――」
「おい、二人とも、もうやめろよ」
ロンが厳しい声で言った。
「もうこの事は了解済みのはずだ……終わった試験をいちいち復習するなよ。本番だけでたくさんだ」
昼食の時間には、大広間には元の四つのテーブルが戻っていた。昼食を終えると、午後は実技試験だ。五年生はぞろぞろと大広間の隣の小部屋へと移動し、数人ずつ名前を呼ばれるのを待った。
実技試験の方も、悪くない結果だった。浮遊呪文は杖を持たない頃から使い慣れていたものだし、変色呪文も変身術の自習の方で髪や瞳の色を変えるぐらいまでマスターしている。
翌日の「変身術」の試験は、更に完璧にこなす事が出来た。こちらについては、ふくろうレベル以上の勉強をしていたのだから当然と言えば当然だが。シリウスの言葉を真似る訳ではないが、この科目では、サラはO・優を取れていなければおかしいとすら思えた。
変身術での慢心が影響してしまったのか、水曜日の「薬草学」の試験ではミスをしてしまった。噛もうとする「牙つきゼラニウム」を押さえようとして、力加減を間違えて一部を潰してしまったのだ。何とか提出対象の種は採取出来たが、三大魔法学校対抗試合のドラゴンの課題のように傷の有無が点数に影響するのであれば、まずいかもしれない。その晩、次の「闇の魔術に対する防衛術」の復習をしながらも、サラは心ここにあらずな状態だった。
「そんなに心配するなよ。課題は達成したんだろ? あいつはちょっと狂暴だった。誰か『痛い目』に合わせる役も必要さ」
落ち込むサラを見かねて、ロンが言った。ハリーは小さく歯形の付いた指先をサラに見せた。
「僕も噛まれたよ、ほら」
「サラは細かい作業に対する注意力が散漫なのよ。筆記の方は問題ないのに、もったいないわ」
ハーマイオニーは、自分の勉強に没頭しながら、励ましているのか説教なのかよく分からない言葉をかけてくれた。
木曜日の「闇の魔術に対する防衛術」は、呪文学や変身術と同様に完璧にこなす事が出来た。恐らく、この科目については「ダンブルドア軍団」の全員が好成績を収める事が出来ただろう。逆呪いも防衛呪文も、どれもDAでやったものばかりだった。アンブリッジを教授に寄こしたり、授業で杖を振らせなかったりと現場は酷い事になっていても、少なくとも試験要綱の方はまだ腐っておらず、本当に必要なものを理解しているようだ。そして、ハリーも同じく理解していたのだろう。これには、ハリーに感謝と称賛の意を抱かずにはいられなかった。
金曜日の午前に行われる「古代ルーン語」の試験で、今週の試験は終了だった。この科目は答え合わせを止めるロンもおらず、試験が終わるなり、ハーマイオニーはサラの回答を見たがった。
「写してないわよ」
「ええっ、どうして? サラは、彼らとは違って答え合わせをすると思ったのに」
「だって古代ルーン語って訳すだけじゃない? 文章で答えるならともかく、それくらいなら覚えられるわ。問題量が多くて急いで書いたからdとaを読み間違えられるなんて事でもない限り、満点じゃないかしら」
ハーマイオニーはぽかんとサラを見つめていたが、直ぐに立ち直り、問題用紙を突き付けた。
「じゃあ、採点してちょうだい!」
結論から言うと、サラがハーマイオニーの採点を行う事はなかった。空気をつんざくような悲鳴が、廊下に響き渡ったのだ。廊下の先に、人だかりが出来ていた。ちょうど、アンブリッジの部屋だ。サラとハーマイオニーは顔を見合わせる。
「何事かしら」
二人は人垣の後ろへと駆け寄る。背伸びをすると、荒らされ惨憺たる有様の室内が人の頭の隙間からちらちらと見えた。壁に掛けられた猫の写真の入った皿は床に落ちて割れ、ショッキングピンクで統一されたテーブルクロスや家具の数々は引き裂かれている。
アンブリッジは、床や棚を駆け回る黒い毛むくじゃらの小動物を追い回していた。凶悪な顔で杖を取り出し、追跡対象へと向ける。
思わず懐に手を伸ばし一歩踏み出したサラを、ハーマイオニーが引き留めた。
「何をする気?」
「止めなきゃ。あのニフラー、殺されちゃうわ!」
「あなたが関わっちゃ駄目。全部、あなたのせいにされるわよ! ダンブルドアが何のために罪を被ったのか、考えなきゃ」
「じゃあ、あの子を見殺しにするの?」
「心配しなくても、ニフラーってそんなに鈍臭くないと思うわ」
ハーマイオニーの言う通り、ニフラーは割られた窓の隙間からするりと外へと逃げだして行った。
「ほらね。さ、早くこの場を離れましょう……。すっごくまずい事になったわ。あなたがここで見つかって、これ以上酷い状況になるのは避けなきゃ」
ハーマイオニーは、どう言う訳か怒っているようだった。その理由は、談話室へと戻ってハリーとロンと合流してから分かった。
「アンブリッジはハグリッドがやったと思うわ」
「ハグリッドは今、授業中。ハグリッドのせいには出来ないよ」
ハリーが窓の外を顎で示しながら言った。
「まあ、ハリーったら、時々とってもお人好しね。アンブリッジが証拠が挙がるのを待つとでも思うの?」
辛辣な口調で言うと、ハーマイオニーは頭に血を上らせたまま、女子寮へと去って行った。
「愛らしくてやさしい性格の女の子だよな」
クイーンを前進させ、ハリーのナイトを叩きのめしながらロンが言った。サラとハーマイオニーが試験を受けている間、二人はチェスに興じていたらしい。
「ねえ、二人とも次の試験の勉強をしなくてもいいの? まだ試験はあるのよ?」
「サラ、次の試験は月曜日だ。月・曜・日! 今日急いで勉強しなくても、まだ二日もある」
「二日『しか』無いのよ。それに、魔法薬学よ! 私、進路面談でも聞いてみたけど、この十五年間、スネイプ先生がE以下の生徒の受講を認めた例は一切無いみたい……」
「サラ、まさか君、自分がOを取れる可能性があると思っているのか?」
「魔法薬学でもいもりを取らなきゃ、闇祓いになれないのよ! 出来る出来ないじゃなくて、やるしかないの! ハリー、あなたも闇祓いを目指しているんでしょう。チェスなんてやってる時間はないはずよ」
サラは杖を一振りして、机に広げられたチェスを片付ける。優勢だったロンが「ああっ」と驚愕と無念の声を上げた。
「ハリーも闇祓いを目指してたの? そんな事、一言も言わなかったじゃないか」
「誰から聞いたの?」
ハリーは居心地悪そうな顔をしてサラを見上げていた。教科書を広げながら、サラは答えた。
「アンブリッジ。あなたが警告してくれた通り、私の面談にも監督に来ていたわ。私が闇祓いや予見者と言った魔法省の仕事を志望しているって知ったら、意気揚々と割り込んで来てくださったわよ」
「ハリー、闇祓いを目指してるの?」
ロンが繰り返し尋ねた。ハリーは歯切れの悪い回答を返した。
「アー……その、まだ就職とか分からないけど、興味はあるかなって……」
「あら、いいじゃない。向いていると思うわよ。『魔法薬学』で『O・優』さえ取れればね」
「サラもハーマイオニーと一緒に女子寮に引っ込んでくれた方が良かったかもな」
ヒソヒソ声でハリーに話しかけるロンを、サラはギロリと睨んだ。
「ロン、聞こえてるわよ」
ロンとハリーは二人して身を縮めた。
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第2部
真実の扉開かれて
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2017/11/25