「あら……何処かへ出かけるの? 今日は、バイトが休みだって言ってなかった?」
 ハンドバッグ片手に紅子と共に家を出ようとする麻理亜に気づき、紅子は尋ねた。
「んー。バイトは休み。友達と映画を見に行く約束をしてるのよ」
「ああ……バイト先の喫茶店で知り合った、南洋大学の人ね……」
「そ。平日の方が、空いてるしね〜。――そう言う訳だから、今日は一緒よ!」
「……如何いう事?」
「この家と明美の家との中間地点にある映画館が、ちょうど江古田高校の方なのよ。もちろん、最寄り駅も一緒って訳!」
 そう言って笑い、麻理亜は元気良く外へ飛び出す。
 紅子は深い溜め息を吐き、後に続いた。





No.3





 やっぱり、今日もいるのね……。

 待ち合わせ場所である喫茶店の前まで来て、麻理亜は立ち止まった。
 微かに漂う、血の臭い。麻理亜は油断無く周囲を見回す。今日も、明美は監視されているのだ。
 特に厳しく監視されている様子ではなかった。普段、麻理亜の勤める喫茶店へ来る時は、監視はいない。普段と違う予定がある時、明美を監視する者がいるのだった。

 ――それとも、監視されているのは麻理亜だろうか。

 明美についていた監視員が、帰宅する麻理亜を追ってきた事も、何度かあった。何とか毎回撒き、未だ住居を特定されてはいないが……。
 恐らく、麻理亜の履歴書が偽造された物だという事を知っているのだろう。だから、明美と接触する事に疑念を持つのだ。
 一体、奴らの目的は何なのだろうか。明美は、自分を監視する者がいる事を知っているのだろうか。一体、明美と何の関わりがあるのだろうか。
 どんなに考えても、全く予想がつかない。そもそも、麻理亜はこの世界でやっと常識人並みに行動できるようになった所だ。この世界の裏に何があるかなど、知り得る筈も無い。

 麻理亜はキッと正面を向くと、喫茶店へと入っていった。
 こちらへ来るウェイトレスに「待ち合わせをしている」と断り、キョロキョロと店内を見回す。
「麻理亜ー。ここよ、ここ!」
 奥の席で、明美が手を振っていた。
 麻理亜はそちらへと歩いていく。
「ごめんなさい、遅くなっちゃって。電車が少し遅れてたみたいで。踏み切りトラブルだって」
「そうそう。踏み切りとの間に挟まれちゃったのよね。ちょうど、私の乗ってたバスの前だったのよ。それで暫く足止めくらって……だから私も今来た所よ」
「一先ずここで休憩取ってからでいいかしら? 満員電車でずっと立ってたもんだから、疲れちゃって」
 麻理亜は苦笑しながら言って、明美の向かい側に腰掛けた。





「そう言えば……麻理亜の家って、どの辺なの?」
 映画を終え、昼食にしようと再び喫茶店へ向かっている時だった。映画についての話が途切れ、明美がふと聞いた。
 麻理亜は一瞬、顔を強張らせる。
 それでは、明美は自分の周りにいる者達に気づいているのだろうか。麻理亜の履歴書が偽造された物だと、知っているのだろうか。
 明美の表情は、いつもと変わらない。ただ何となく聞いた、普通の会話のような具合。開心術を使ってしまえば、造作無い事だ。だが、それは躊躇われた。むやみやたらに人の心を覗くのは良くない。
 それにどちらにせよ、例え明美であっても、何者かが麻理亜の住居を特定しようとしている今、他人に家を教えるつもりは無かった。
「……う〜ん……何て言えばいいのかしら。森の中よ」
「森? そうじゃなくって。何区、って事よ。それとも他県?」
「ごめん、私、住んでる所の住所、覚えてないのよ」
 明美は「訳が分からない」といった様子だった。
 麻理亜は苦笑する。
「私、外見で分かってるかもしれないけど、外国にいたのよね。それも、テレビだとか電車だとかの無い所だったの。日本に来たのはつい最近よ。
言葉とか、こちらでの一般常識とか、覚える事があまりに多くって。だからそういう普段分からなくても支障の無い物は、殆ど覚えてないのよ」
 強ち嘘ではない。
 ボタンの沢山付いた四角い箱のような物で遠くにいる人の声が聞けると知った時は、本当に驚いた。

 デパートの二階の一角にある喫茶店に着き、明美と麻理亜は窓際の席に座る。窓の外、眼下では、沢山の人々が忙しなく往来する。まるで、夏休みのダイアゴン横丁のようだ。そう考え、思い出す。アルバスとリチャードは、今頃どうしているのだろう。突然麻理亜がいなくなり、驚いた事だろう。心配してないだろうか。
 以前トリップした時は、残してきた人などいなかった。学校の事は気がかりだったが、特別気がかりな「人物」は、いなかった。

 ――私、元の世界に戻れるのかな……。

 何も手掛かりが無い。示唆してくれる者もいない。今回は、何故この世界に来たのか見当もつかない。
 前回と同じようにすれば帰れるだろうか。だが、ここは、あの世界とは違う。この辺りで、紅子以外の魔女又は魔法使いを見かけた事は無かった。
「……麻理亜って、付き合ってる人とかいたりする?」
「え?」
 明美は、ぼんやりと外を眺めている麻理亜を眺めていたが、不意に声をかけた。麻理亜はきょとんとした様子で振り返る。
「だって、麻理亜って女優張りに綺麗じゃない? 周りの男共が放っておかないと思うんだけど」
「調子のいい事言っちゃって。
彼氏ねぇ……今は、いないわ。一応、付き合った事はあるけど。でも、キスさえしない子供のお遊び程度だったり、恋愛じゃなくて取引でだったり」
「取引……? 何それ?」
「そんな大した事じゃないわ。告白を断った相手が、私の友達へ八つ当たりするようになってね。それを止める代わりに付き合ったってだけよ。半年程度で別れたしね」
「へぇ……」
 明美は唖然としている。
 麻理亜は机に肘を突き、前に身を乗り出した。
「明美こそ、どうなのよ? 私の事だけ聞くつもりじゃないわよね?」

 その時、確かに、明美は自分達を監視している者のいる方向を見た。

 やはり……気づいているのか。一体、明美は何に関わっているのか。
 明美は何事も無かったかのように屈託無く笑う。
「いるには、いるわよ。どうなるか分からないけど」





 食事を終え、食後のコーヒーを待っていた時だった。
 麻理亜は、窓の外に見覚えのある後ろ姿を見かけた。上からだが、間違いない。
「紅子?」
「ん? どうしたの?」
 時計を確かめるが、やはりまだ正午を回ったばかりだ。授業が終わるには早い。一体、どうしたというのだろう。早退? 具合でも悪くなったのだろうか。
「ごめん、明美! ちょっと急用。私、行かなきゃ」
「いいわよ。この後に行く所も特に決まってた訳でもないもの」
 麻理亜は支払いの半分を明美に渡すと、喫茶店を出て、階段を駆け下りていった。

 紅子に追いついたのは、駅のホームだった。
 駆け寄る麻理亜に気づき、紅子は振り返る。麻理亜は紅子の横に立ってから、尋ねた。
「どうしたの? まだ、授業中よね――具合でも悪いの?」
「ええ、まあ……」
 麻理亜は首を捻った。何だか、様子がおかしい。
「具合悪いなら、家で寝てなきゃね。ほんと良かったわ、一人で帰らせる訳にはいかないもの」
 とんでもない。麻理亜に看病されて寝ていては、計画は台無しだ。
 紅子は慌てて言い直した。
「別に、平気よ。ただ、学校側にはそう言って早退しただけだわ。
貴女の事で、少し思った事があるの。それを、忘れない内に確かめようと思ってね……」
「私の事? 何か手伝う事、ある?」
「平気よ、一人で。それより寧ろ、帰ってから暫く、部屋に近付かないようにして欲しいの……。本人が近付いちゃうと、何も分からないのよ」
「ええ……分かったわ」





「――な〜んてねー」
 麻理亜は笑みを湛え、部屋の前に立つ。
 紅子が嘘を吐いていたのは、目に見えて明らかだった。一体、何をするつもりだろうか。
 扉に耳を押し当ててみるが、扉が厚い為か、何か呪が掛けられているのか、中の音は全く聞こえない。そっと押してみるが、鍵を掛けられているらしく、びくともしない。杖を取り出し軽く呪文を唱えてみたが、開かなかった。どうやら、鍵自体にも魔法を施しているようだ。
「へぇ……随分、用意周到じゃない」
 開けようとすれば開けられない事も無いだろうが、魔法が使用されているならば破った際に気づかれる可能性がある。
 そうとなれば、最後の手段。

 確か……入って右側、壁際が薄暗いわよね……。そこなら、隠れるのに丁度いい柱もあるし……。

 麻理亜は、くるりと踵で回転した。

 部屋の中央には、何やら不気味に煮立った大鍋。光源は鍋の横にある炎のみで、部屋には怪しげな空気が漂っている。
 紅子は呪符をその鍋の中に投げ込んだ。
「この世で最も邪悪な神、ルシュファーよ! 今こそその醜い姿を曝け出し、私の問いに答えなさい!! 出でよルシュファー、私の許へ!!」
 鍋に沸いていた泡が破裂し、一気に中の液体が波立った。柱のように溢れたその液体は、奇妙な形へと変化する。人の姿には程遠いが、確かに何かの顔がある。
 その顔が、声を出した。
「誰だ!? 我を呼び出す愚か者は……」
「さぁ、答えよ、ルシュファー! 怪盗キッドの末路を!?」

 末路……?

 麻理亜は眉を顰めた。紅子は、何をしようとしている。
「満月の夜、罪を犯したる者、天に道を作り……真紅の高き塔に、身を隠すべし……。
我に命令する貴様……何者!?」
「もう良い……下がれ!」
 紅子が呪符を破ると、シュワッと音を立ててその姿は消えた。
「例の物は出来ておるか!?」
 紅子の問いに答え、傍に控えていた男性が手に持ったネックレスを差し出す。彼はどうも執事のようだが、麻理亜は未だに名前を知らない。
 紅子は差し出されたネックレスを手に取り、笑みを浮かべた。





「あら、出かけるの? 紅子」
 丈の長いマントを着、家を出ようとする紅子に、麻理亜は階段の上から声をかけた。
 紅子はピタリと立ち止まり、顔だけ振り返って麻理亜を見上げる。
「ええ……ちょっと、外で調べ物をね……。遅くなるようだったら、先に寝てしまってよくってよ。
……それじゃ」
 言い置き外へ出ようとした紅子の背に、麻理亜の声がかかった。

「――貴女に人は殺せないわ」

 麻理亜の言葉に、紅子は再び立ち止まる。フードを被ったその顔には、一筋の汗が流れる。
 背を向けたままの紅子の方へと、麻理亜は階段を降りていく。
「一体どうして貴女がそんな事を企んだのか知らないけど、やめなさい。貴女に人が殺せる筈ない」
「そんなの……やってみなければ分からないわ」
 紅子は振り返った。
 麻理亜は階段の下に立ち、無言で紅子を見つめている。紅子は狼狽した。無言で訴える麻理亜の表情は、普段の彼女からは想像も出来ぬほどに大人びていた。
 そう言えば、麻理亜はいくつなのだろう? 紅子は尋ねた事がない事に気がついた。普段おどけた調子なものだから、勝手に同じくらいか少し年下かと思っていた。
 だが、今の彼女は到底そうは思えない。
 麻理亜はそれ以上、何も言おうとしない。紅子は踵を返し、家を出て行った。





 暗闇の中、満月の光に照らされて浮かび上がる白い姿があった。シルクハットに、マントに、モノクル――怪盗キッド。
 彼はビルの屋上に佇んでいた。

 妙だ……今日は、嫌な予感がする……。

「――なーんちって」
 ニヤリと笑い、時間を確認する。そろそろ時間だ。
「さーて、そろそろ行くかなー……」
 膝ほどの高さもない段を降り、振り返る。――そこには、一人の少女がいた。
 月光の下で白く光る髪を風になびかせ、橙色の瞳には強い光を湛えている。確か、スキー実習の時に紅子と一緒にいた少女だ。
「こんばんは、お嬢さん。どうしました? こんな所で」
「命が惜しくば、帰りなさい」
 たった一言それだけ言い、あとは口を開かない。
 ビルの屋上を、一陣の風が吹き抜けた。
「……どういう事だ?」
「言葉のままの意味よ。貴方の命を狙っている人がいる。警察をおちょくる泥棒ごっこなんかよりも、自分の命を大切にした方が賢い選択だと思うわよ」
 二人は無言で見詰め合う。
 ふと、麻理亜は踵を返す。長い髪を払いながら室内に入り、階段を降りていった。

 紅子に人を殺せる筈が無い。
 そうは思ったものの、やはり心配だった。信じてはいても、来ずにはいられなかった。
 人を殺すなど、そんな事を紅子にさせたくない。人の命を奪うという事は、命を奪われた者がこの世からいなくなってしまうという事だ。もう、二度とその人物が話す事は無い。笑う事は無い。
 人に死を下すのだ。人をこの世から消してしまうのだ。
 麻理亜はギュッと右腕を掴んだ。





 麻理亜は婦警の制服を着て、護衛の警察官に混じっていた。
 どう帽子を被っても髪の色は誤魔化せず、杖で突いて黒に染めた。目は流石に危険だ。カラーコンタクトを買う時間も無かった。帽子を目深に被り、目を伏せがちにする事で何とか目立つ事を避ける。七変化ならば楽だったのに、と思う。
 予告時間二分前、行方知れずだった警部がようやく金印の置かれた部屋に姿を現した。それに気づいた他の刑事が、声を上げる。
「あっ、警部! 何処に行ってたんですか、この大事な時に!!」
「うるせぇ。オレが何処に行こうと、オレの勝手だ……」
 声をかけた刑事を睨み、警部は拳銃をちらつかせる。麻理亜以外の警察官達は、普段と違う警部の様子に唖然とする。
 麻理亜は警部の柄の悪さに顔を顰めていた。

 突然、警部が金印の置かれた台に向かって発砲しだした。
 声を上げる間も無く、台を突き破って蜂の巣のようになったシルクハットを被った人物が飛び出してきた。よく、今の銃撃で死ななかったものだ。
「怪盗キッド!?」
 警察はどよめく。キッドは靴の紐を引き、ローラー靴での逃走を開始した。
 台を強く蹴り、麻理亜達の頭上を軽々と飛び越える。
「逃がすなぁ!!」
 警部の怒鳴り声で、慌てて警察官達は部屋の外へと向かう。後を追うが、誰もキッドの速さに追いつけない。
 キッドは階段の手摺を上へと上っていく。
 警部は鬼の形相で追いかける。
「何をしている!? 撃っても構わん!!」
「し、しかし警部……」
「どけ!!」
 警部は先頭の警察官を突き飛ばし、階段の間を上へ発砲した。
「死ね! 死ねぇ!!」
「ちょっと!? 本当に死んだらどうするつもりよ!」
「うるせぇ! オレに指図するな!!
屋上だ! エレベーターを使え! 射殺しても構わん!!」
 麻理亜は警部を睨み、そしてハッと気がついた。

 屋上……? まさか……。

 窓を振り返る。外には、輝く夜景が広がっている。
 麻理亜はその中の一つに目を止めた。
「……『真紅の高き塔』!」
 乗れた者はエレベーターを使うが、後の者達は階段を駆け上っている。
 麻理亜は、階段の方へと駆け出す。麻理亜の脚力ならば、次のエレベーターを待って昇るよりも、階段の方が早いだろう。
 しかし、殺到している刑事達で思うように進む事は出来なかった。





 麻理亜が屋上に着いたのは、警部を含むエレベーターの第一陣と同時だった。
 キッドは東都タワーへとロープを繋ぎ、その上を逃走していく。警部は悔しそうにその場に立ち止まった。
 キッドは東都タワーへと去っていってしまう。麻理亜達は呆然とそれを見送っていた。あまりに遠くて見て確かめる事は出来ないが、そちらには紅子がいるだろうに……。
 麻理亜が意を決しあちらへ渡っていこうと振り返ったその時、またしても銃声が響いた。警部が、ロープに向かって連射している。
 警察官達は慌てて警部を押さえつける。弾が当たってロープが切れれば、確実にキッドは死んでしまう。紅子とキッドの方を気にしつつ、麻理亜も警部を取り押さえようと駆け寄る。

 その時、ロープが切れた。

 遠くにぽつんと見える小さな二つの人影が、ぐらりと大きく傾く。
 麻理亜は杖を引っ張り出し、振り上げる。
 しかし、そこで動作は停止した。キッドの背のマントが三角形に変形する。ハングライダーだ。彼は紅子らしき人影と共に、東都タワーの向こうへと飛んでいった。
 麻理亜はホッと息を吐く。自然と笑みがこぼれた。
 やはり、紅子には殺人など無理なのだ。キッドは殺されずに済んだ。紅子は人殺しにならずに済んだ。
 視線を感じてそちらを見れば、傍にいた警察官が麻理亜と杖を凝視していた。麻理亜は冷や汗を流しながらも会釈を返し、それと無く杖をポケットにしまう。
 そして人目を盗み、踵でくるりと回転した。

 紅子は屋上の塀に頬杖を着き、ムスッとした表情で満月の夜空を見上げている。麻理亜はその隣に腰掛けるようにして「姿現し」した。
「こんばんは、紅子」
 紅子は少し麻理亜に目をやったが、何も言わない。
 麻理亜は帽子を脱ぎ、肩にかかった髪を払う。不自然な黒に染められた髪は、元の銀髪へと戻った。
 暫く、二人は何も話さずに夜空を眺めていた。
 ふと、紅子が呟くように言った。
「……麻理亜は、大人なの?」
 麻理亜は紅子を振り返ったが、紅子はやはり正面を見つめたままだ。麻理亜も再び空を見上げる。
「さあ? 生きた年数だったら、成人に達してるけど」
「……」
 麻理亜の声は、いつもの明るくおどけた調子だった。
 一体、本当はいくつなのだろう? 麻理亜は異世界にいたと言っていた。どのような世界だったのだろう?

「――帰ろっか、紅子」
「ええ……」
 二人は連れ立って、その場を立ち去った。





「紅子〜……」
 麻理亜はどうした事か、着がえずにコインロッカーから出てきた。
 更衣室も兼ねているそこに、麻理亜は服を預けていたのだ。紅子は人気の無い所で麻理亜を待っていた。マントを着たとは言え、この格好で人目のある所にいると目立ってしまう。
「どうしたのよ? 服は?」
「ロッカーが開かないのよ。百円玉を何枚入れても、戻ってきちゃうの……」
「……」


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2007/07/08